滄海天記 感想

一般ゲーム

乙女ゲームではなく一般ゲームですが、オトメイトブランドでおなじみのアイデアファクトリーさんの新ブランドオルタギアから発売される新作ノベルゲームということで気になってプレイしました。

「滄海天記」

あおい海と天だなんてタイトルからしてなんだか壮大な感じ。さらに記という単語からちょっとした硬さや重さも感じつつ、そこへ謳い文句が「絆」と「友情」。それらがどう絡むのか、プレイ前はどんな内容のゲームなのか想像がつきませんでした。というわけでプレイ後の印象を踏まえたあらすじを。

ざっくり勝手にそれっぽくあらすじ~

主人公ミナトは記憶を失った状態である島に辿り着く。そこで運命に導かれるかのごとく大切な人々と出会う。しかし穏やかな日々は長くは続かなかった。徐々に思い出される自分の使命。いざ、信じた仲間とともに光を取り戻すための戦いへ―

恋愛なし、BLなし、友情と絆の物語という触れ込みの本作ですが、プレイ後の今一番印象に残っているのは戦いです。スプラッタな絵は無かったのでホラーゲームとまでは言いませんが、「いやそれはエグイ」「え、怖っ」などと敵の恐ろしさに絶望しながらの血みどろの戦い。登場人物は良い人なわけで、選択肢を間違えてBADENDになろうものなら、なんで彼らがこんな目に遭わないといけないんですか、神様、彼らは何か悪い事しましたか?何も悪いことしてませんよね?

早くハッピーエンドをくれーーー!全員ハッピーなってくれよぉぉーーー!

辛かったので早々に攻略サイトの力を借りてハッピーエンドに辿り着きほっと一息をつきました。個別ルートのシナリオ自体は短めですが、攻略サイトを見ずに自力でやろうとすると、どの選択肢もいかにも命がかかった選択肢ですという感じに見えて(考えすぎ)しんどくてしんどくて、エンドまだなの?早く救われたい!と思いながらプレイしてました。登場人物に天照大御神、月読命、須佐之男命というカードがありながら、絆パワー→ピカーーッ→ハッピーみたいな超絶ご都合主義ではないので、未プレイの方、どうぞ安心して物語の先行きを心配しながらプレイされてみてください。

そう言いつつもずっと苦しいゲームかと言うとそうでもなくて。サブキャラが良い!須佐之男命かわいいい!九鬼嘉隆かっこいい!HPで人物紹介されているクラスのサブキャラはもちろん、個別ルートでしか登場しないサブキャラまで良い。主役から脇役に至るまで登場する人物全員のストーリーが厚くて誰を中心に据えても大河ドラマ作れそう(それは流石に言い過ぎ)。ビジュアルもばっちりイケメンのオンパレードでした。背景と言い、絵はとても綺麗。あとこのゲームの個人的にツボだったところは、実際の歴史上にもいる登場人物の行動や台詞の多くが史実に矛盾しないところでした。ゲームの世界観を踏まえた上で神話や歴史を調べてみるとそれ本当にあったんだ!とか、そういう寄り道を始めるとこのゲーム、世界観が一気に面白くなる。モデルの島ここなんじゃないかな~とか(暇人)。生まれて初めて古事記を読みたいと思いました。これでちょっと賢くなれそう。ありがとう二次元の謎の力。ありがとう滄海天記。ゲームの副読本として、海賊がつくった日本史という本がめちゃくちゃお勧めです。

さて、ここで個別ルート感想をと思っていましたがやっぱり割愛。

というのも、公式が恋愛でもBLでもないと言い切っているだけあって、個別ルートで必ずしも攻略対象キャラにキュンキュンした…というわけでもなかったんですよね。攻略対象が背負っているものが明かされることによって胸を締め付けられるような切なさがあったルートもありましたが、基本的には「絆」どうこうを意識する前になんかもう常に目の前の敵に必死すぎて。キュンキュンしてる余裕なんてない。もっと力をくれ。私が勝手にヒヤヒヤしすぎか?とにかくあんなに頑張ったんだから、みんなに幸せになってもらいたい。萌えとかBL匂わせ的なものを期待をしてプレイすると肩透かしを食らうかも。

ちなみにゲントのルートが好みでした。これよ、こういうの待ってました!と思わずガッツポーズ。なんとなく攻略順を最後にもってきている攻略サイトでが多い印象だったのに納得。確かにこれは誰か別の人のルートをプレイした後にやって欲しい。そんな私がこのゲームのお勧め攻略順を作るなら、①カズヤorレイジ ②ゲント ③大団円 そのあと残りのルートをプレイするかどうかはお好みで、です。

おいおいと思ったそこの貴方、そうですね、ぶっちゃけどうやら恋愛脳らしい私は、恋の落ち方4パターンと違って敵の倒し方4パターンって、途中の工程が変わっても不思議と敵を倒すことそれ自体を金太郎飴的に感じてしまって、せっかくの個別ルートも話を引き延ばされてるような感覚。結果、途中でテンションが続かずなんだか普通だなぁって。変な義務感で最初から全ルートを開けようとするより好きなルートから、好きなルートだけをやった方がゲームを楽しめただろうなと思いました。

私はこの世界観とサブキャラたち、好きです。その分メインキャラ達が薄く感じたのが非常に惜しい。※すべて個人的な見解です。製作者様、箱推しファンの方々、非常に申し訳ございません。

とりあえず人間味あふれるスサノオ様かわいかった~♡

最後に些細な事ですがバックログなどでスティック操作の方向が私の直観と逆方向だったので、あれ?出ない!逆だったわ、を毎回やってました。このゲームの設定なのか自分のコントローラーが壊れたのかを悩む今日この頃です。

以上